双子悪魔のホームステイ


冷や汗を流してどうにか状況を説明しようとする結祢を押しのけて、ロールがズイッと前に出た。



「お久しぶりですわね。わたくしのこと、覚えていらして?」


「え、ええっと……だ、誰だったかしら……。」


困惑しているように首を傾げる母親に、ロールはグッと顔を近付ける。



「わたくしの目をよく見て下さいな。何か思い出しませんこと?」


「目……?」


母親が言われた通りに見つめると、ロールの瞳がギラッと怪しく光った。


その光を受けた母親の表情が一瞬虚ろな表情に変わり、すぐに嬉しそうな笑顔に変わった。



「あなたは……ロール姉さん!本当に久しぶりだわ、姉さん!もう……玄関から入ってきてって言っているのに、いつも結祢の部屋から入って来るんだから!」
< 152 / 345 >

この作品をシェア

pagetop