双子悪魔のホームステイ


「え……えええっ!?」


母親の態度の豹変ぶりに、結祢は体を仰け反らせて驚きの声を上げた。

そんな彼女を、母親が不思議そうな表情で見つめる。



「どうしたの、結祢?そんな大声上げちゃって。」


「ね、姉さんって……お母さん、本気で言っているんですか!?」


「まあ、結祢が覚えていないのも仕方ないわね。ロール姉さんが来るのは、十五年ぶり……あなたがまだ一歳の時に会ったっきりだもの。……その二人は、姉さんの息子よね?」


母親はディザスとクレイに視線を移す。

ディザスはにこりと微笑で返し、クレイは無愛想な表情で見返した。



「お久しぶりです。俺が兄のディザスで、こっちが弟のクレイです。」


「……おいっ。俺様達まで芝居に参加しなくていいだろ。」


丁寧な挨拶をするディザスの右腕を、クレイが引っ張って耳打ちする。

ディザスは別にいいじゃんと小声で返して、再び母親に視線を戻した。
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