双子悪魔のホームステイ



「ディ、ディザス君!そ、そんなところでうずくまって……具合が悪いんですか?」


心配そうに眉を下げて見つめて訊く結祢に、ディザスと呼ばれた青年はううんと首を横に振ってみせた。

耳の少し下までしかない短めの金色の髪がサラサラと揺れ、卵型の顔と赤い瞳に憂いの色が満ちる。

歳は結祢と同じか、一つ上に見える。

しかし、青年といっても彼は人間ではなく、二本の角に鋭く尖った二本の牙、それから背中にはコウモリのようなギザギザした黒の対の翼と先端が三角形になった黒い尻尾を持つ“悪魔”であった。



「大丈夫……。俺のことは気にしないでよ……。」


「ほ、本当に大丈夫なんですか?声が震えてますけど……。」


「……うん。それに……俺よりクレイの方が……大変だよ。」


ディザスは弱々しい声で言って、ベッドの上を指差す。
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