双子悪魔のホームステイ


「だ、だけど、何だか辛そう……」


「大丈夫だって言ってんじゃんか!!」


歩み寄ろうとしたところをディザスに怒鳴りつけられ、結祢はビクッと肩を震わせて立ち止まる。

ディザスはハッとしたように、目を丸くして口をぽかんと開けた。



「ご、ごめん。結祢ちゃんが心配してくれてるのは嬉しいけど……一人で考えたいことがあるんだ。今日は俺のこと、放っておいてくれないかな……。」


「こ、こちらこそ、すみません……。ディザス君の迷惑も考えずに、しつこく質問してしまいました……。」


「別に迷惑なんて思ってないって!俺はただ……」


「はいはい、そこまでにしときなせえ、お二方ぁ。もう夜なんでやすから。ご近所さんから苦情が来やすぜ?」


両手を横に広げ二人の間に割って入って来たトライプの言葉に、結祢とディザスは罰が悪そうに目を逸らし合った。

無言の二人を交互に見てから、トライプは言葉を続ける。
< 266 / 345 >

この作品をシェア

pagetop