双子悪魔のホームステイ


ぽかんと口を開けて立ち尽くす結祢に、やや呆れ顔のクレイが言う。

彼らの目の前には、笑顔のトライプと床にへたり込んだディザスの姿があった。



「きちんと説得してきやしたよ、クレイの旦那。」


「後で帰るって……はあ……言ったのに……。」


肩で大息をつきながら絞り出すような声で抗議するディザスに、聞こえやせんねえとトライプは涼しい顔で嘯いた。



「あ、あの、ディザス君……大丈夫ですか?」


右手を遠慮がちに前に出して心配そうに声をかける結祢に、大丈夫だろとディザスではなくクレイが答える。

ディザスは顔を上げて、不服そうに口を尖らせた。



「なんでクレイが答えるんだよ?まあ、大丈夫だけどさ……。」
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