双子悪魔のホームステイ


おずおずと見上げてくるディザスに対し、結祢ははいと力強く頷く。



「帰って来てくださってありがとうございます。それから……お帰りなさい、ディザス君。」


「結祢ちゃん……ただいま!もう自分勝手に出て行ったりしないから!」


笑顔で見合う結祢とディザスを見ながら、



「新婚夫婦みたいでやすね……。」


トライプは小声でぽつりと感想を述べ、見えなくもねえなとクレイが軽く頷いて共感の意を示す。


部屋一帯が和やかな雰囲気に包まれたその時。



「……親を見捨てておきながら、ずいぶんと陽気なものね。」


窓の外から皮肉気にそう言う声が聞こえてきた。



「えっ……?」


「誰だ!?」


その場に居た四人全員が窓の方を向く。
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