双子悪魔のホームステイ



「お味はどうかしら?」


「尋ねるのは愚じゃぞ、ティディ!あの有名店の……それもショートケーキが不味いわけがなかろう!」


エイビルはティディに笑顔で感想を述べると、頬に付いた白いクリームも取らないまま、無我夢中でケーキをハグハグッと食べ始める。


それを聞いて、ティディは



「あたしがあげたのに偉そうに言うわね、あんた。」


と不服そうに言いつつも、ピンクのマニキュアを塗った左手を頬に当て、穏やかな表情でエイビルを見守った。

エイビルはしばらく夢中でケーキを食べていたが、



「むぐむぐっ……ティディ。おぬし……ごくっ、小生に何か頼みが……かぷっ、あるのではないか?」


三分の二ほど食べたところで、神妙な顔つきをしてティディに問いかけた。

ティディは、よくわかったわねえと感嘆の声を漏らす。



「おぬしが……むぐっ、小生にタダで……はむっ、ケーキをくれるとは思わぬ……ごくっ、からのう。」
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