双子悪魔のホームステイ


「……食べるか話すか、どっちかにしなさいよ。あっ、もう食べ終わりそうね。そのケーキ高いんだから、もっと味わって食べて欲しいものだわ。」


片目を閉じてフウウと息を吐くティディ。

エイビルは最後の一欠片を口にポイッと放り込んで、ごくんとしっかり飲み込んだ。



「食べ終えたぞい!それで……頼みとは何じゃ?」


「頼みっていうのはねえ……ああ、もう、見なかったフリしようと思ったのに我慢できないわ!右のほっぺたと顎にクリームがべったり付いてるのよ!」


ティディは苛ついているように早口で言うと、エイビルのほっぺたに自分の左手人差し指を近づける。

しかし、エイビルは睨みつけるようにキッと目を細め、右手でティディの手をパシッと払いのけた。


ティディは狐に摘まれたような顔をして、自分の左手とエイビルの顔を見比べている。
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