双子悪魔のホームステイ



「エイビル、あんた……意外と力あるのね。あたしの左手、ジンジン痺れちゃってるわ。」


「子供扱いしたおぬしが悪い!クリームぐらい、自分で取れるわい!」


エイビルはフンッと鼻を鳴らすと、右手中指で二箇所に付いたクリームを掬い、ぺろっと下で舐めとった。

親切を仇で返されたというのに、ティディは口に左手を当ててクスクス笑っている。



「はいはい、余計なお節介焼いたあたしが悪うございました。おふざけはこのくらいにして……本題に入るわね。あたしね、双子悪魔に決闘を申し込んだの。エイビルには、その決闘の審判をしてもらいたいのよ。」


「……はっ?決闘の審判をしてほしいじゃと?」


エイビルはきょとんとした表情で小首を傾げた。



「ええ。あたしの覚悟をどうしてもあんたに見てもらいたくて。」


「どういう意味じゃ?それに、めったに他人とケンカをせぬおぬしが何のために決闘をするのじゃ?」
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