双子悪魔のホームステイ
「クレイも居るよ!ほら、あそこにさ!」
ディザスが指差した方向を結祢が見上げると、黒い翼をはためかせて身構えるクレイの姿が見えた。
「クレイ君!二人共、助けに来てくれたんですね。」
「……たまたま通りかかっただけだ。微笑みかけてくるんじゃねえよ。」
結祢の視線に気付いたクレイは、フイとそっぽを向いた。
「双子悪魔……。」
「わあ、嫌な人達が来たねー。」
ディザスとクレイを交互に見返して、トゥルケとアバリィが僅かに目を細める。
「どっかで見たことある面(ツラ)だと思ったら……双子堕天使のアバリィとトゥルケじゃねえか。」
「嫌な奴らはそっちだろ!無抵抗な結祢ちゃんを襲うなんて、卑怯だぞ!」
クレイとディザスも負けじと言い返した。
「堕天使に……悪魔……。結祢ちゃん……逃げ……て……。」
星駆は右手を伸ばして訴えかけようとしたが、意識が途絶えたため、伸ばした手がパタリと地面に落ちた。