双子悪魔のホームステイ


「俺……っ……こう見えても……怪力……っ……なんだよ!うりゃあ!!」


気合いの入った声を上げると、ディザスは体に似合わないほどのバカ力で魔手を押し返した。

そうして息つく暇なく、



「攻撃魔法、クラッシュアピロー!」


腕輪を使って魔法を発動させる。

灰色の光が発生して、それは巨大な枕の形になり、魔手を二つまとめて上からドンッと押し潰した。


アバリィとトゥルケは凄惨な光景に呆然としていたが



「……魔手がやられちゃった。」


「仕方ないねー。一旦、退いとこうかー。」


ぺちゃんこに潰された魔手を鏡の中に戻し、ひらひらと手を振りながら空高くへと飛んで行った。


ディザスは逃げる二人のことは全く気に留めず、真っ直ぐクレイに駆け寄る。
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