双子悪魔のホームステイ



「クレイ!しっかりしろって、クレイ!」


「うっ……。」


何度か揺さぶると、クレイは半分ほど目を開けた。

目の前には自分を見下ろすディザスの姿が見えたが、目の端には星駆を抱き上げて介抱する結祢の姿が映っていた。



「星駆君!だ、大丈夫ですか!星駆君!!」


「……。」


大声で名を呼ぶ努力も虚しく、星駆からの返事は無い。

顔色は悪くないが、体は微動だにしなかった。



「そんな……まさか、星駆君……」


「結祢……そいつを……こっちに……連れて来い……。」


瞳にうっすらと涙を浮かべた結祢を、まだ自身も意識がはっきりしていないクレイが弱々しい声で呼ぶ。

結祢は小首を傾げつつも、星駆に肩を貸してクレイの前に連れて来た。
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