双子悪魔のホームステイ



「自分もフラフラ状態なのに……一体何する気だよ、クレイ?」


訝しがるディザスの質問には答えず、クレイは左手の手の平を星駆に向けた。



「治癒……っ……魔法……リカバリーライト……。」


クレイの手から、淡い桃色の光が放たれ、星駆の体を包み込んだ。

光は数秒で収束したが、それを受けた星駆の瞼が小刻みに上下した。



「これで……こいつは……心配無え……だろ……う……。」


息絶え絶えにそこまで言うと、クレイの左手がだらんと力無く下がる。



「ク、クレイ君!」


「クレイっ!」


結祢とディザスは血相を変えて名を呼ぶ。

しかし、クレイの胸が微かに上下していることが二人を安堵させてくれた。
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