双子悪魔のホームステイ
「きっと、質(タチ)の悪いイタズラですよね。“双子の悪魔”なんて……今時、不幸の手紙は流行らないのに。」
「結祢ちゃん……どうしたの?すごい悲鳴、聞こえたよ。」
一人で考え込む結祢に、彼女と同い年ぐらいの少年が話しかけてきた。
「せ、星駆(セク)君。お隣まで聞こえてしまいましたか……恥ずかしいです。」
星駆と呼ばれた彼は、黒い短めの髪に栗色の瞳を持ち、前髪の右側にターコイズを用いた紐アクセを付けていた。
結祢の悲鳴に驚いて駆けつけたであろうに、表情はぼうっとしていてあまり驚いているようには見えない。
「なんで、恥ずかしいの?女の子らしくて可愛い悲鳴だったのに。」
「いや、悲鳴が可愛いとか可愛いくないとかそういう問題ではないんですけど。世間体とか……いろいろです。」
「世間体?いろいろ?よくわからないけど……恥じらう結祢ちゃんは可愛いよ。」