双子悪魔のホームステイ
クレイが目覚めたのは、その日の朝方四時過ぎだった。
「……っ。俺様は……また……。」
ズキズキ痛む頭を左手で抑えて上半身だけ起き上がって辺りを見回すと、ソファに体半分を載せて寝ている結祢とディザスの姿が見えた。
(こいつら……俺様が目覚めるまで起きているつもりだったのか?)
クレイはゆっくりと起き上がって、自分が寝かされていたベッドにあった布団を、二人の背中にかけた。
二人はそれでも起きることなく、スゥスゥと心地よさげな寝息を立てている。
「俺様は頭痛がして寝れなくなったっつのに、いいご身分じゃねえか。」
クレイはふああと欠伸をすると、窓べりに両肘をつき、外に視線を移す。
白み始めた藍色の空には、黄色い右半月。
オレンジ色の朝日が、ほんの少しだけ顔を覗かせていた。