双子悪魔のホームステイ



「あの、クレイ君……星駆君を助けてくれて、ありがとうございます。それから、布団をかけてくれたことも。」


「ああ?俺様、そんなことした覚え無えけど。」


「じゃあ、無意識の内にしちゃったのかもしれませんね。無意識のクレイ君、ありがとうございました。」


「……なんだ、そりゃ。」


クレイは微笑を絶やさないまま、結祢の言葉に応対する。

二人は、それ以上は何も言わないまま、昇り行く夕日を眺めていた。


そんな彼らを



「……。」


布団で顔を隠したディザスが、複雑そうな表情で見ていたのだった……。
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