双子悪魔のホームステイ
同日の夜。
開け放たれた窓の外を指差したまま、結祢はしばし呆然と立ちすくしてしまった。
「あっ……あなた方は……一体……?」
彼女の指差す先に居たのは……
「手紙の約束通り、ホームステイしに来たよ!」
「狭ぇな、この部屋。本気でこんなところで生活しないといけねえのかよ?」
銀色の髪と金色の髪を持つ二人の青年だった。
……といっても、普通の青年ではない。
背中には小さな黒い翼が生え、頭には尖った二本の角。
おまけに、左手には大蛇矛を持ち、臀部から生えた黒い三角形の尻尾を自由自在に振っているのである。
その姿はまるで……
「あ、悪魔……。」
「ああ?何、わかりきったこと言ってやがるんだよ。」
ぺたりと尻餅をついた結祢に向かって、銀髪の青年が苛立たしげに言い返した。
青色の瞳が、結祢の瞳を厳しく見据える。