僕等のレイニーデイズ
ガヤガヤ
騒音に混じって、慌ただしい足音がだんだんと近づいてくる。
いくら騒がしいからといっても走る足音のテンポは、その中で目立つのだ。
「あ!いた!」
と、
同時に止まる足音。
始まる荒い息使い。
そして――――、
「?」
あたしは、紗由と一緒にその声の方へと視線を向ける。
……ただ、紗由のようにくるりとはいかなかったと思うけど。
「杉本ー、日直……」
(『杉本』……って)
紗由の苗字じゃん。
ぎこちなく向けたあたしの視線とばっちり合った、視線。
そして
止まる、言葉。
「あぁ~、ごめんごめん」
軽いノリで手をヒラヒラと揺らす紗由だけが、この空間にちゃんと馴染んでいたように思う。
あたし達だけが、切り離されたように、違う。
浮足だった普段と変わらない下校風景から、ぱきん、って。
「………」
「昨日の……」