僕等のレイニーデイズ
「あ、ねぇ」
「なに?」
どもりそうになったところを、バレないように小さく深呼吸して自分を落ち着かせた。
…緊張してるのはあたしだけ?
「岡本さん、何組?」
「あ、えっと、4組」
ナチュラルに会話している彼は優しい罪人だと思う。
少しも緊張した様子がないからあたしに脈がないんだと改めて思い知らされるし、それにあたしは胸をえぐられたように苦しくなって、辛い。
「4組!?
隣のクラスじゃん!
俺、3組だよ」
そして彼は、そういえば、と言いながら腰を下ろした。
そして隣の床をペチペチと叩いて、あたしに座るように示した。
(隣……)
やっぱり、罪だ。
心臓発作で死んでしまう。
―――それでもいい、と素直に腰を下ろしたあたしは、それ以上に馬鹿だ。