僕等のレイニーデイズ








* * *





スゥ、



「……はぁー」



一度大きく息をすってから、ゆっくり息を吐き出す。



「ごめんってー」



不安を抑えたい。それと、この胸のモヤモヤを晴らしたい。

二つの意味を込めたこの行為は1時間目中、ゆっくりと繰り返された。

先生になんと言われようが。
それを見ているクラスメイトに笑われようが。



「いいよもう」

「うわー、嘘だその物言いは嘘にしか聞こえない未だお怒りなのですか」



面白くもなんともない寒い台詞で見事に場をしらけさせた真田は、しゅんとした。


(いつもこうなら可愛いのに)


……いつもこうじゃないからきっと友達なんだとも思うけど。
















「あたしトイレ」


「うん…お留守番してます」


「………」


「ごめんね」




もうそんなに気にしてないのに……。

しゅんとする真田は本当に可愛いくて、そういえば真田と初めて合ったときのコイツの印象は可愛らしいだったよなー、なんて思いながらあたしは教室からでた。




廊下は相変わらず騒々しい。


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