僕等のレイニーデイズ






―――シャ







「あ」






カーテンが、少し開いた。


ゆっくり、音を立てないように意識されたみたいな開け方で。





真っ白いカーテンから、真っ白い相良くん。



(今日は相良くんデーなの…?)






―――なんて、悠長なこと言っている場合じゃあない!




「あれ、もしかして、起きてた?」


「…ううん、今起きたところ…」




恥ずかしくなって、俯いてしまう。だって。




「…眠れた?」



小首を傾げたその真面目な顔は、知っているのだろうか?

(あたしの…女子事情)





「……いま…」


「6時間目が、少し前に終わったとこ」



相良くんは、笑って言った。



「寝不足で倒れた人、俺初めて」



なかなか動こうとしないあたしのベッドの傍に、イスを軽く引きずってきながら、俯きがちに笑う相良くん。



「……寝不足…?」



「うん。保健の先生が。

――ついさっき、職員会議あるって言って行っちゃったけど」


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