夜空と夜桜
「夏琉?」
服を選び終えて、することも無くなったあたしがベッドに寝転がったとき、ノックとともに低く、のんびりとした声が聞こえた
「…何?入っていいよ」
しばらくの沈黙の後、あたしの部屋に入ってきた人物は……
高倉智哉(たかくらともや)
高倉家の長男で、今大学生
「ただいま」
ニッコリと穏やかな笑みで言った智哉
「おかえり」
あたしも微笑んで返す
のほほんとしていて、一見頼りなさそうだが、意外としっかり者
あたしは、智哉といる時間が1番好きだ
「ご飯、出来たから来て、だって」
「あぁ…
分かった。すぐに行くから、先に行ってて?」
「分かった!
早く来てね」
「うん、ありがと」