夜空と夜桜





萩原さんはスーツ姿であたしに笑いかけた





「どこでもいいけど…





てか、何でスーツ?」





今日も仕事あるのかな??





「あぁ……





昨日、仕事で疲れちゃって…





そのまま寝てたんだ」





苦笑いする萩原さんをあたしは睨む





「…家に……帰ってないの?」





あたしが睨んでいることに気づいた萩原さんは、目をそらす





「帰ってないよ……





別に、帰りを待っている人もいないしね」





少し寂しそうな横顔を見ながら呟く





「…でも、ちゃんと食べたり寝たりしないと、体調崩すよ」





萩原さんは車を発信させる





「どこ行く気?」





このまま、家の前で停まっていても智哉に見つかるかもしんないから、移動するのは構わないんだけど…









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