夜空と夜桜





「とりあえず、腹減った」





……なるほどね





飲食店に行くようだ





「夏琉ちゃんは、腹減ってないの?」





萩原さんは、前を向きながらそう言う





「減ってないけど、気にしなくていいよ」





あたしは、萩原さんに気を遣いながらそう言った





おかしいなぁ……





いつもは、男になんか気を遣わないのに……





年上だからか…?





「じゃぁ、お言葉に甘えて…





いい子だね、夏琉ちゃんは」





萩原さんは笑いながらあたしの頭を撫でる





「ちょっ…





子供扱いしないでくれる?」





あたしは、反射的に萩原さんの手を払い落とした





……まだ、男の人に触られるのは慣れてない





この前、やっと家族に触られるのだけは慣れれた









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