夜空と夜桜
そうやって強がっていられるのも今のうちだよ…?
「てかさぁ…
何で急に優しくなったの?」
俺はずっと疑問に思っていたことを聞く
「…は?」
水族館にいたときの夏琉ちゃんとは全く違う、冷たい視線を感じる
「…俺が、加奈美から開放されたあと……
夏琉ちゃん、起きてから急に笑うようになったよね?」
俺は夏琉ちゃんの目をしっかり見て言った
「あぁ…
どうせ今日一日だけなんだし、優しくしてもいいかなって思っただけ」
…なるほどね
俺のこと考えててくれたんだ?
「ふーん…
そうなんだ」
俺は、口の端をクイッと上げた
…もちろん、夏琉ちゃんに気づかれないようにね
俺達はそれから何の会話もせず、レストランを出た
ちなみに、俺が奢った