夜空と夜桜





その瞬間、あの日の出来事が鮮明に頭に浮かんだ





「…やだ!」





必死に抵抗する





「…人が来ちゃうじゃん





ちょっと黙ってろ!」





あたしの両手を健は片手でおさえて、もう片方の手であたしを殴る





「いっ……!」





口の中に鉄の味が広がる





あー…





痛いなぁ





ボーッとする頭でそんなことを考える





服はもう、健に破かれたり、土で汚れたりでボロボロだ





恋歌に何て謝ろうか…





それに、こんな格好で家に帰ったら、智哉達心配するだろうな……









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