夜空と夜桜





あたしは、健の手が止まったのを狙って思いっきり健を蹴る





「?!」





健は自分の大事なところを押さえてうずくまっている





あたしはその隙に走った





確か……こっちに行けば公園から出れるはず…





「夏琉ちゃん!」





驚いて、足が止まる





この声は……





あたしは、左を見る





「…は……萩原さん…」





搾り出したその声は、自分でもビックリするくらい震えていた





萩原さんは、あたしの前まで来ると、ギョッとしたように目を開いた





「その格好…」





あたしは咄嗟にしゃがみこむ









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