夜空と夜桜





「こ、これは…」





あたしが言い澱んでいると、突然背中に何かかけられた





「それ、着てて」





それは、萩原さんの背広だった





あたしはゆっくり立ち上がる





「ありがと…」





萩原さんは少し息が乱れていた





…必死で探してくれたのかな





そう思っていると、あたしが走ってきた方向から誰かが走ってきた





「おい!





クソ女ぁ!!」





…健だ





萩原さんは、あたしを自分の後ろに隠した









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