夜空と夜桜
プツン…
あたしの中の何かが切れた
ギャルの二人が何か言ってるのも気にならないし、他の客の心配そうな視線も気にならない
「……離せ」
低く呟く
「え~?」
それでもキャッキャッと騒ぐギャル女…
「離せっつてんだよ。
聞こえねぇのか」
思いっきり睨んでそう言うと、ビクッと震えて、ギャル二人は手を離した
あたしは、恋歌に駆け寄り、大丈夫か確認する
どうやら、対したことはないようだ
ホッとしたのと同時に、沸々と怒りが沸いてきた
「テメェ、よくも恋歌を突き飛ばしたな…?」
恋歌を突き飛ばした女の襟元を掴む
「ちょ、ちょっと!男が女に暴力振るうなんて最低だよぉ?」
本当は、男のフリをしていたかったけど、そんな余裕、今のあたしにはない