夜空と夜桜
「…そうなんだ
大変だったんだね」
他に言う言葉が見つからなくて、そんなことを口に出した
「今はもう、借金なんて全部返済したんだけどねー」
軽い口調で萩原さんは言ったけど、その言葉の裏には、色々な思いがあったに違いない
「そっか…」
あたしが俯いてそう言うと、萩原さんはあたしの頭を撫でた
「夏琉ちゃんがそんな顔をする必要はないよ
それに、どんな理由があっても、女の子にあんなことをするのは許されない」