夜空と夜桜
「いや、気にしなくていいよ
ていうか、ごめんな…
なんかしんみりした空気になっちゃった……」
別に、無理して明るくしなくてもいいのに……
「気にしてない
ていうか、そこ右
…真っ直ぐ行ったら、恋歌の家だから」
しばらくして、車が止まった
「ここでいいの?」
こっちをチラッと見てそう言った、萩原さん
「いいよ
あたしは歩いて帰るし…
恋歌、起きて」
恋歌の肩を持って、軽く揺らす
「んん………ふぇ?
なっちゃん??
あれ……もしかして、寝ちゃってた??」
恋歌は自分を指差して、首を傾げながらあたしに聞いてきた