夜空と夜桜
「あの…」
あたしが口を開くと、健がゆっくりとこっちを見た
「何が何だか分からないっていう顔してるな
…そんな夏琉の為に、1から説明してあげよう」
健は咳ばらいをして、話し始めた
「…紹介が遅れた……
コイツ、俺の女♪」
健がそう言って、優しくキスしたのは……
健が連れてきた女だった
「そういうこと~
ゴメンね、夏琉ちゃん♪」
女は、健の腕に絡み付いている
「う…そ……」
やっと出てきたのは、そんな言葉だった
…いつもの、冗談だよね?
「残念だけど、本当だよ
夏琉とは、遊んでただけだから
…ていうか、付き合ってるフリをしてた、みたいな?」
あたしの反応を見ながら、ニヤニヤ笑う健……