夜空と夜桜





そんな会話をしながら、カメラを片手に部屋を出て行った




「ちょっと、待てよ~!」




大きな目をした男が慌てて追いかける





そして、部屋に残ったのはあたしと髪がはねてる男だけになった





「…悪かったな…




ここ、健の家の…って言っても、本当は違うんだけど、そこの近くの空き家だから、家にはちゃんと帰れると思う




それと…これ、着て帰れ」





男はそう言って、ベッドの上でうずくまっているあたしに、自分が着ていた上着をかけて、部屋を出て行った




それからしばらくして、あたしはゆっくりとベッドからおりて、家へ帰った




周りからの視線も痛かったが、それよりも心の方が痛かった








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