夜空と夜桜
「いや……昨日、家まで送ってくれたから……
お礼しようかと思って……」
今まで堅苦しい会話だったから、ちょっとぎこちなくなる
『あ~……
そんなの気にしなくていいのに……』
萩原さんの苦笑いしている姿が目に浮かぶ
「だけど…送ってくれたことにはかわりないし、お礼したいから……
それで…お礼っていっても何をすればいいか分からなかったから、何かしてほしいこととかあるかな、と思って電話したんだけど」
あたしができることなら、なんでもいいんだよ?
『嬉しいなぁ……
そこまで気を遣ってくれたの??
お礼ねぇ~……
う~ん…』
そう言って、それっきり黙ってしまった萩原さん