大好き、幽霊君
『ん、何が?』
『十字架…?』
『あ、それ、呪いかけられないように持ってるんだ』
『呪い…?』
『うちの近くに呪いをかけそうな人がいるから』
『そんな人がいるんですか…怖いですね…』
いや、お前だっちゅーの!!
『どうかしましたか…?』
『なんでもないでーす』
『あ、これ…』
幽霊男子の手には十字架が握られていた。
『ありがとう』
明日からはいらないなと思いながら、ポケットにそっと十字架を戻した。