大好き、幽霊君
『じゃ、孝介来たから行くね〜』
『うん、ばいば〜い』
今日は水曜日。真紀が孝介と一緒に弁当を食べる日。
『誰と食べようかな…』
あ、幽霊男子…今日も屋上で食べてるのかな…。
行ってみようかな…。でも、毎日行ったら迷惑だし…。
あー!どうしよー!
断られたらショックだしな…。
って、何うちこんなに悩んでるの!断られたっていいじゃん!え、何自分!
………よし、行こう!
千穂は弁当を持って、屋上に向かって走りだした。
屋上の扉の前に立つとなんだか緊張して5分ぐらい扉の前で悩んだ。
『よ、よし行こう…!』
ガチャ…
扉を開けて屋上を見るとイヤホンで音楽を聞きながら弁当を食べてる幽霊男子がいた。
幽霊男子は千穂に気付いていないのか、そのまま動かなかった。
千穂はゆっくり近付き、幽霊男子に声を掛けた。
『た、た、たか、高田!』
幽霊男子はイヤホンを外し、ゆっくりこっちを向いた。
『どうしたんですか…』
『あ、あの!…弁当一緒にいい?』
『いいですよ…』