大好き、幽霊君
『…チャイム鳴ったから戻りましょう…』
『あ、待って!』
びたんっ!
初めて漫画みたいにこけた。
『いったー…』
『…大丈夫ですか…?』
顔を上げると、幽霊男子の長い前髪がおでこに触れそうなぐらい近かった。
『?…どうしたんですか?はい、手…』
『え、あ、ありがとう…』
『膝、血出てますよ…』
『うわ本当だ!いてて』
『保健室行きましょう…』
『え、だって授業…』
『血、流しながら授業受けるんですか…?』
『それは嫌だ!』
『じゃあ、保健室行きましょう…』
無意識に握られた手が優しくて膝の痛みを忘れるくらいに心臓がドキドキした。