悪魔? or 天使?(上)
しばらく無言の時が続く。
一体どこに向かってるのかさえわからない。
「…何なんだよ、お前」
「は?」
「突然泣いたと思ったら、今度は勝手に治りやがって。
で、大丈夫だと思って送りだしたらぶっ倒れるし」
「悪いねぇ。つーか、あんたには関係ない」
「そりゃあ、直接的にはねぇけどさ…
ほっとけねぇんだよ、お前」
あたしはおぶられたまま黒崎の声に耳を傾ける。
「情緒不安定すぎだろ。目が離せないって言うかさ…。
ほっといたらどっかで野垂れ死んでそう」
「ほっとけ」
黒崎の低い声が、背中を伝って体に染み込む。