悪魔? or 天使?(上)
そっと黒崎の背中に手をまわし、
ゆっくりとその背中をさすった。
「大丈夫だよ。
あたしはどこにも行かないし、ここにいる。
だからさ、もう謝んなくていいよ。あたしがその人に代わって許してあげる」
そんな包容力、あたしにはないけどね。
そこで黒崎がハッと目を覚ます。
「……あぁ…悪い……」
「寝起き悪すぎ。さぁ、その手を放せ」
「ん…あぁ…」
黒崎はバツが悪そうに顔をしかめ、あたしを解放した。