悪魔? or 天使?(上)



「それが10年前の事件」



あたしは黒崎の腕の中で無機質に言った。



「…そっか…」



黒崎は優しくそう返す。



「何で俺に言おうと思ったんだ?」



「朝、突然あんたの顔が頭に浮かんだ。

そしたら連絡網があって…」



気がついたら目の前に汗だくの黒崎がいた。



嘘つきの黒崎は、

真冬の2月にいっぱい汗をかいていて、

急いで来てくれたことが容易にわかった。


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