悪魔? or 天使?(上)





すると、様子を見てなにか勘付いたらしく、夏川先生が嬉しそうに声を弾ませた。



「あら、3人はお知り合いだったんですか。ならちょうどよかったですね。朝倉さんの席は…」




おや、なんだこの展開。




これあれじゃないか?曲がり角でぶつかった二人が再会みたいな。




少女マンガやってんじゃないんだよ、あたしは。




「よかったですね、朝倉さん。二人の間の席ですよ」




だから嫌だって言ってるのに。




あたくし、ああいった目立つ方たちとは相容れない根暗ですの。




口には出せない不満を眼差しに託して夏川先生を見上げる。




「二人とも、仲良くしてあげてくださいね」




余計な御世話だ、夏川 恋日。




やっぱりこの人はあたしの敵らしい。





< 19 / 333 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop