悪魔? or 天使?(上)
「美玲ちゃんが僕だけを見てくれればいいのにね…」
その表情は妖艶なんだけど、
どこか寂しげでもあった。
「あっ、そこのお店雑誌に載ってた」
あたしが指さす先にあるのは
おしゃれな感じのレストラン。
ファッションとかに疎いあたしが読む唯一の雑誌はグルメ雑誌。
世渡りするためには笑顔のほかに知識も必要だってあの人は言ってたけど、
興味ない物に金使うことはできない。
食べることは大好きだからね。
特に甘い物とか。
「美玲ちゃん、あそこがいいの?」
「うん。パスタがおいしいんだって」
「じゃあそこにしようか」
優斗君に手を引かれ、店内に入る。
中にはカップルがたくさんいた。