悪魔? or 天使?(上)
「2名様でよろしいでしょうか?」
感じのよさそうなウェイトレスがすぐに出てきて、こちらに声をかけてくる。
その目は優斗君に釘付け…という表現がピッタリなほど見とれていた。
…っていうか、あたしのコト見えてないんじゃない?
「あ、できたら禁煙席でお願いします」
「煙草の煙嫌いなの?」
うちであの人がずっと吸っていたから、あたしはもう慣れた。
ヘビースモーカーというのもなかなか大変だ。
「だって、副流煙って体に悪いんでしょ?
美玲ちゃんが病気になったら嫌だしね」
「あたしは別に平気だよ」
「じゃあ、僕が嫌だから」
「まぁいいけど…。それとさ…」
「ん?」
優斗君はまだ人懐っこそうな笑顔で店員を魅了している。