悪魔? or 天使?(上)
どうも世の中はあたしの葛藤も苦悩も認めてはくれないらしい。
不機嫌面を引っ込めて、あたしは道化のようにニコリと笑った。
「よろしくね」
それが世渡りに必要なのだと身をもって教えてくれたのはあの人。
(今は亡き)ってところか。
あの人の呪縛からも逃げられるかもしれないと思って、わざわざこんな遠くまで来たんだから。
もう一度悪魔と天使を盗み見る。
……使えそうにないなぁ。
溜息を呑みこみつつ、恨めしいほど青く晴れ渡った空を睨みつけた。