悪魔? or 天使?(上)




あたしは零れ落ちるそれを必死で拭いながらも、ある想いに耽っていた。



それはさっきの優斗君の言葉。



『僕なんかよりよっぽど綺麗だ』



他意はないのだろうけど、やけに引っかかる。




そんなことを考えていたら、ふいに目の前が暗くなった。



「……」



優斗君があたしを抱きしめたのだ。



「ゆぅ…と君…」



「僕じゃ…だめかな…?」



「え?」



あたしは思わず顔を上げる。



「……っ!」




そこで唇が重なった――。



< 216 / 333 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop