悪魔? or 天使?(上)
あたしは零れ落ちるそれを必死で拭いながらも、ある想いに耽っていた。
それはさっきの優斗君の言葉。
『僕なんかよりよっぽど綺麗だ』
他意はないのだろうけど、やけに引っかかる。
そんなことを考えていたら、ふいに目の前が暗くなった。
「……」
優斗君があたしを抱きしめたのだ。
「ゆぅ…と君…」
「僕じゃ…だめかな…?」
「え?」
あたしは思わず顔を上げる。
「……っ!」
そこで唇が重なった――。