悪魔? or 天使?(上)
その反応に、優斗君は慌てて取り繕う。
「や、なんでもないよ!
…それより、ホントに大丈夫…?
2日間眠りっぱなしだったんだよ」
どうりでおかしな夢を見るんだ。
昔、幾度となくうなされた夢。
悲しくて、悲しくて、慌てて飛び起きることが何度もあった。
…もう涙なんかとは無縁だと思ってたんだけどなぁ…
「ありがと、優斗君。
でももう大丈夫。まさか、毎日来てくれてたの…?」
優斗君は制服姿だ。
「うん。あ、でも変に気遣わなくていいよ?
どうせ帰り道だし」
「でも…」
「あ、それと。勝手に鍵借りて行っちゃった。
ごめんね?机の上に置いといたから。
じゃあ、僕は帰るね」
優斗君はそれだけ言うと、
あたしに有無を言わせずに部屋から出て行った。