悪魔? or 天使?(上)





あたしが訪ねて行ったとき、

優里は何もなかったかのように出迎えてくれた。




この前の出来事なんか、なかったかのようにね。




「あれ、砂糖入れる癖治ったの?」



入れたココアをそのまま口に運ぼうとする優里。




そう指摘すると、優里は途端に相好を崩した。




「はい。彼が、ココアを飲んでる優里が一番可愛いって言うから、今までよりも飲む回数を多くしたんです~」




「ほう、それは健気な」




つーかあんた彼氏なんていたんだ。




「そしてらなんと1ヶ月で2キロも太っちゃたんですぅ。

だから、お砂糖の量を減らしてカロリーを下げることにしましたぁ。

内科の先生にも糖分の摂りすぎはよくない、って言われちゃいましたしねぇ」



「そういうことね」





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