悪魔? or 天使?(上)
そこで、玄関のチャイムがなった。
あたしは重たい腰を浮かせ、玄関に向かう。
「…はい…」
そこには不機嫌そうな黒崎と、
いつものように笑顔の優斗君がいた。
「…何しに来たの…?」
「お前、カバン忘れて行っただろ。届けに来た」
「本当は様子見に来たんだよ。
さっきはどうしたの?」
飽くまで二人はいつもどうりを“装って”いるらしい。
心中に渦巻く葛藤なんて無視して
あたしを心配してくれたのか。
それとも、葛藤を晴らすためにここまでわざわざ来たのか。
どちらにせよ、あたしとしては嬉しくもなんともない。