ライムの匂いのする方へ
思うがままに
「ねぇ…
ゆりって彼氏いなかったよね。」
それはあまりに突然で
わたしはアルバムをめくる手を止めた。
「いないよ。」
ため息をつきながら答える。
「どーせ俺と付き合わないとかでしょ?」
そう付け足すと
りょうはにっこり微笑んだ。
「わかってるなら話は早い。
つきあおーよ。」
「無理。」
「なんで。
相性ぴったりじゃない?」
「全然じゃん。」
ゆっくりとした時間が流れる。