ライムの匂いのする方へ
中学の頃から彼女がいなかったことはなかった。
けれど、1年いや半年と続いた子はいなかった。
涼いわく彼女はアクセサリーのようなもの。
あきたら替える
気に入ったら替える。
大学生になった今もかわらない。
そのくせ優しいから女の子はみんな信じちゃう。
そんな子達を見ながら
バカだな。なんて思いながら
涼のそばにずっといた。
たまにときめいちゃう時もあった。
その低く響く声に
たくましい腕に
広く大きな背中に。
だけど友達だから。
あんな女の子達みたいに
数ヶ月でバイバイなんてヤだから。
線をひいて距離を保ってきたんだ。
最高の友達を失わないために。